昨日の続きです。

■ハワイに住むのか北極に住むのか(1/2)
 


第四の力『仕入業者との力関係』

第五の力『お客さんとの力関係』

 中小企業の場合、仕入業者には強く、

 お客さんには弱いことが多いでしょう。

 ただし、一概にそうとも言い切れない業界もあります。



 ●仕入業者 < 自社 < お客さん

  一般的によくある構図です。



 ●仕入業者 > 自社 < お客さん

  一番つらい構図。原料メーカーが限られており、

  交渉権を握られてしまっているなど。

  その上、お客さんからも買い叩かれればたまったものではありません。



 ●仕入業者 < 自社 >お客さん

  理想の構図。いい例が冠婚葬祭業者です。

  仕入れは業者数が多いために叩き放題。

  そして冠婚葬祭を行うお客さんでハードに交渉してくる人はそうはいません。



 このように業界の立ち位置として、

 仕入業者、お客さんに対して強い業界、弱い業界があるのです。



自分たちの業界を取り巻く5つの力で考えたときに、

その力が弱ければハワイ、強くなれば北極に近づくことになります。



また、現在ハワイの業界であっても、

第一(成熟)、第二(新規参入)、第三(代替品)の力が存在するため、

必ず北極へ向かってゆくことになります。



さて、それでは自社のいる業界が北極まで行かないけど既にシベリアだよ・・・

という場合はどうすれば良いでしょうか。



考えられる方法は二つあります。

一つはハワイへ引っ越すこと。

ただしどこにハワイがあるのかわからない、

またわかったとしても引っ越しにはお金と手間がかかります。



ほとんどの場合、未知の業界へ飛び込んでも勝ち目はありません。

その場合は自社の資源と成長業界とのマトリックスを作って、

どこにハワイがあるのかを探すことをおススメします。



シベリア企業の二つ目の方法は、質の高い防寒着を着ること。

他社がどんどん倒れてゆく厳しい業界であっても、

質の高い戦略で自社は勝ち抜いてゆくことです。



同じようにシベリアで戦って苦労している他社は、

ボロを着ている場合が多いです。

ボロ相手なら勝てるかも・・・?!



2日間のまとめです。

利益を上げるためには『どうやって戦うか』よりも

『どこで戦うか』が重要。



北極ではいくら優秀な戦いをしても利益を上げることは難しい。

ハワイならば多少戦い方がまずくても利益を上げることができる。



北極ではなくシベリアくらいなら、

他社が皆ボロを着ているのなら、

戦い方によっては多少の勝ち目はあるかもしれない。



目の前のことを一生懸命やるのは当然ですが、

ハワイへの引っ越しを考えるのも社長の大切な仕事なのです。



【質問】変えるのは、戦い方ですか? それとも戦う場所ですか?



元ネタはコチラの本でした。おススメです。^^

ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (著)楠木 建